お茶とカフェイン
紅茶、烏龍茶にもコーヒーと同じくカフェインが含まれています。
その含有量は、乾燥重量(淹れる前)で紅茶葉は約3%、コーヒー豆は約1%と、紅茶の方が多く含みます。
しかし、飲む状態(液体)では、紅茶は4~5倍以上に薄められて飲まれるため、実際に摂取するカフェイン量はコーヒーより少なくなります。
更にカップ1杯に使われる原料量は、紅茶葉よりコーヒー豆の方が多い点も考慮しなければなりません。
また、お茶には「テアニン」と呼ばれる成分が含まれており、テアニンとカフェインが結合することによって、実際に体内に吸収されるカフェイン量は更に抑えられ、効果も穏やかになります。従って、お茶にコーヒーのような覚醒作用(眠気覚まし)は、余り期待しない方が良いでしょう。コーヒーの『興奮作用』とは対照的に、玉露を除くお茶は『鎮静作用』の効果の方が大きく、ストレスを和らげ、精神安定をもたらしてくれます。
製品 | 分量 | 原料使用量 | カフェイン量 | 備考 |
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烏龍茶 | 500cc | 茶葉5g | 約13mg | 台湾産、軽焙煎包種茶の場合。但し発酵度、焙煎茶かどうかで差が生じる。 |
紅茶 | 180cc | 茶葉3g | 約18mg | 蒸らし時間3分。ディンブラの場合。産地や発酵度の違いにより差が生じる。 |
玉露 | 60cc | 茶葉10g | 約160mg | 蒸らし時間2.5分 |
抹茶 | 茶碗1杯 | 粉末2g | 約64mg | |
製菓用抹茶 | 粉末のまま | 粉末1g | 約32mg | 抹茶菓子等で抹茶の量が増えるほど、そのぶんカフェインも多くなります。 |
煎茶 | 180cc | 茶葉4g | 約8mg | 蒸らし時間1分 |
釜入り茶 | 180cc | 茶葉4g | 約4mg | 蒸らし時間1分 |
ほうじ茶 | 180cc | 茶葉4g | 約5.3mg | 蒸らし時間0.5分 |
玄米茶 | 180cc | 茶葉4g | 約4mg | 蒸らし時間0.5分。茶葉50%、米50%(焙煎米40%炒り米10%)の割合。抹茶入り除く。 |
コーヒー | 180cc | 粉末12g | 約72mg | 中挽き、中焙煎、ドリップ式。豆の焙煎度により大きく異なる。焙煎度の浅い酸味の強い豆はカフェイン量が数倍に上る事がある。 |
インスタントコーヒー | 180cc | 粉末2.5g | 約100mg | |
ホットココア(純ココア) | 180cc | 粉末6.5g | 約26mg | |
アイスココア(純ココア) | 180cc | 粉末13.5g | 約54mg | |
ミルクチョコレート | 100g | カカオ分平均37% | 約44mg | |
チョコレート | 100g | カカオ分99% | 約120mg | |
チョコレート | 100g | カカオ分88% | 約106mg | |
チョコレート | 100g | カカオ分86% | 約103mg | |
チョコレート | 100g | カカオ分77% | 約92mg | |
チョコレート | 100g | カカオ分70% | 約84mg |
- コーヒーのカフェイン量は豆の焙煎の度合いにより大きく異なり、一般的に苦みの強い重焙煎のものより、軽焙煎で酸味の強いコーヒーほどカフェイン量が多く、含有量が数倍にのぼるコーヒーもあります。
- 烏龍茶のカフェイン量は無焙煎茶(生茶)ほどカフェインが多い傾向があり、重焙煎茶や重発酵ほどカフェイン量が少なくなり、数十年間熟成された茶葉はほぼゼロに近いものも存在します。台湾式烏龍茶は一度に使う茶葉の量が比較的少なく、繰り返し飲むため、実際に摂取するカフェイン量はそれほど大きくはなりません。
- ココアパウダー、カカオ分の量が多いほど、カフェイン含有量は多くなります。
- ココアパウダーを使った洋菓子類(ケーキなど)にも、使用料に応じてカフェインが含まれます。
(参考資料:文部科学省/日本食品標準成分表)