ラオス

オスでの茶栽培は、1910~1920年代にフランス人によってもたらされました。
国土の全域に数十~数百人規模の少数の集落や民族が散らばるラオスでは、その集団によって栽培や製茶方法は実に多彩です。
ラオスはお茶よりもコーヒー栽培が盛んで、お茶の生産量が約1000トン足らずに対し、コーヒーは実に10倍の10万トンにも及びます。
また、チャノキ以外から作られたお茶、いわゆる茶外茶が庶民に広く親しまれており、桑茶、沈香茶、蓮茶などがその代表です。

栽培の中心はラオス南部のボロベン高原が中心で、コーヒーの栽培も盛んに行われています。
チャノキから作られるお茶は緑茶がメインで、その他に紅茶、後発酵の黒茶がごく少量生産されています。
整然と茶樹が栽培されているわけではなく、雑木林の中に高さ5~8mほどに成長した茶樹が点在しているような場所が殆どです。
樹齢は古いものが多く、200~400年も経過した茶樹が現役であることも少なくありません。

茶方法も非常に多彩で、統一された作り方はありません。
収穫された茶葉はそのまましばらく陰干しされたあと、薪で熱した(中華鍋のような小型の)釜で、揉みながらゆっくり加熱します。
釜入りされた茶葉は、竈の上に置かれた籠で蒸して完成する緑茶のほか、乾燥の際に沈香の香木の煙で燻して着香させた燻製茶、切ったばかりの竹筒に茶葉を摘めて直火で蒸し(蒸さない場合もある)、そのまま保存して後発酵させるものなど、非常に多彩です。
日本国内での入手は非常に困難です。