鹿野紅茶(福鹿茶)

鹿野紅茶(しかの-)は台湾東部の台東県鹿野郷で生産される紅茶です。海抜は400~600m付近。
黒潮の影響で比較的温暖な気候で、台湾で最も早く茶の収穫が始められる茶区でもあります。
かつての総統だった李登輝氏がこの地を訪れ飲んだ茶を絶賛し「この地には福が訪れるだろう」と語ったことから、福鹿茶福鹿紅茶とも呼ばれています。また台地であることから鹿野高台紅茶福鹿高台紅茶と呼ばれる事があります。

樹品種は大葉烏龍種、阿薩姆種、金萱種、青心烏龍種、翠玉種。戦後までは阿薩姆種が主要品種でした。
いくつかの種類の紅茶が作られていますが、近年最も盛んなのがウンカの食害を利用して作る蜜香紅茶です。
鹿野の蜜香紅茶は特に福鹿蜜香紅茶高台蜜香紅茶と呼ばれ、蜜香紅茶発祥の地である天鶴蜜香紅茶と競い、良質な紅茶を産出しています。

茶の他にも佛手種、四季春種などが栽培されており、最近では青心烏龍種を使った緑茶の生産が試みられています。
台湾では日本と違い基本的に全て釜炒りで香りを引き立たせるのに対し、鹿野の緑茶は日本茶と同じ深蒸しで仕上げられるのが特徴で、香りより旨味に重点を置いた珍しいお茶です。日本の緑茶を参考にしたと言われ、当初は日本から蒸し器などが導入されました。仕上がった緑茶はパウダー状に加工され(いわゆる抹茶)、新たな新商品として売り込みを図っています。

の地では日本統治時代初期はサトウキビ栽培のために日本本土からの入植地となり盛んに開墾され、後に紅茶の生産が行われるようになりました。しかし他の産地と同様に戦後は衰退。1990年代から茶農家の努力により美味しい良質な紅茶が産出されるようになり、度々コンテストに入賞を果たしています。また、花蓮県瑞穂郷舞鶴と同じく、多くの茶農家が民宿を兼業するという珍しい地域になっており、紅茶を使った料理が有名です。

鹿野郷高台の青心烏龍種の蜜香紅茶。
蜜香紅茶

鹿野郷高台の金萱種の蜜香紅茶。
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