信陽紅
信陽紅(しんようこう)は中国、河南省信陽市車雲山村と、その周辺で生産される紅茶です。
信陽は元々「信陽毛尖」(しんようもうせん)と呼ばれる緑茶の産地で、中国十大銘茶にもなっています。
この地の茶栽培の起源は非常に古く、紀元前にも遡ります。
針のような細く尖った茶葉が特徴で、浙江省龍井の製茶技術を導入して、現在の形になったのは清代以降。
普及品となる中級品は一芯三葉が中心、上級品は一芯二葉が中心ですが、一芯一葉で摘まれる高級茶もあります。
1990年初期以降からは、更に若い芯芽のみで作られる茶葉も生産されています。
2009年頃、この信陽毛尖の茶葉を使って新たな商品開発の試みがされ、2010年に紅茶「信陽紅」が完成しました。
古くからの伝統的な茶産地の新商品ということで、中国市場で瞬く間に評判を呼び、生産量が少ないことも手伝って非常に高値を呼んでいます。
ほとんどを芯芽である金針(いわゆるゴールデンティップ)で構成された茶葉もあり、見た目にも美しいお茶です。
しかし、加熱した人気のために実力以上の値が付いていることも確かで、今後の技術的熟成と安定生産が期待されています。
中級品以下はCTCでの生産もされており、主に土産用など中国国内で消費されています。
味は中国紅茶に共通した、まったりとした濃厚なもの。テイストは重め。