ケニヤ

ニヤ(Kenya)はアフリカのケニヤ西部で生産される紅茶です。
ケニヤをはじめとする、ビクトリア湖を取り囲む地域で紅茶の生産が始まったのは、20世紀に入ってからのことで、比較的新興の産地です。
ビクトリア湖を中心に2000m級の、茶葉生産に適した気候を要する広大な土地に、イギリスによる大規模な資本と技術の導入、そして安い労働力を背景に、急速に生産が伸びました。
コーヒーで有名なキリマンジャロ山に比較的近い地理にあります。

本に輸入、販売されているアフリカ大陸の紅茶はケニヤの名を冠したものが殆どですが、前述のビクトリア湖を中心に、ウガンダ、コンゴ民主共和国、タンザニア、マラウイ、モザンビーク、ブルンジ、ジンバブエ、ルワンダなど、ケニア周辺国でも盛んに栽培が行われています。
このなかでも、導入当時、政治的・経済的に安定していたケニアが最も発展しました。また、特に良質な茶葉を生産するのがケニヤで、それ以外の国で生産された茶葉は、特定ブランドメーカー向けのブレンド用や増量用茶葉として使われることが多いため、単体の産地として市場に出回るのはごく稀です。

ケニヤはアフリカ大陸で生産される紅茶のうち8~9割を産出する国で、インド、スリランカに次ぐ世界第三位の輸出量を誇ります。
しかし、2000年代に入ってからのケニヤは政治的混乱が続き、更に2011年に東アフリカを中心に発生した大干ばつの影響をまともに受けるなどして治安等も悪化。生産量や品質の低下、品種改良の停滞などが心配されています。

ニヤなどアフリカ諸国で生産される紅茶の99%以上がCTC製法で生産されており、真紅の水色、飲みやすく口当たりの良い風味、ミルクに負けないコクがあることから、非常に多くのティーバッグやブレンド紅茶に使われています。普段、ケニヤ茶を特に意識していない方でも、知らず知らず口にしていることでしょう。
クォリティーシーズンは乾期である1月~2月、9月~11月の年二回とされていますが、基本的に1年を通して安定した収穫が可能で、茶樹も若いことから、概ね10日間おきに収穫されます。

ろやかなやさしい口当たりで非常にコクがあり、独特の甘い風味が特徴です。渋み、苦味もほとんどありません。水色は深い紅色。
CTC加工されているので抽出が早く、簡単に美味しく淹れられることからティーバッグに多用されています。
また、滅多に見ることはできませんが、フルリーフタイプの茶葉はCTCタイプにはない繊細な香り高い風味が特徴で、是非ともストレートで味わって頂きたい紅茶のひとつです。

高品質なフルリーフタイプ(GFOP)の茶葉。
マリニン_ケニアGFOP