シッキム
シッキム(Sikkim)は元シッキム王国領、現インド領シッキム州原産の紅茶です。
ダージリンの北に位置する地方で、インド、ネパール、中国とのあいだでシッキムの所属問題がありました。また、人口の8割がネパール人で構成されており、かつてのシッキム王国としての独立や、ネパールへの帰属などを訴える住民や組織もあり、政治的に複雑な土地柄です。
住民の大半を占めるネパール人は、かつて茶葉生産のためにイギリスがネパール領から強制移住させられた経緯があり、このためシッキムで生産された茶葉をインド産とせず敢えてネパール産と冠したり、製茶工場がネパール領にある一部の地域でも、やはり産地はインドではなくネパールと表記されることがあります。
風味はダージリンと似ていますがかつては安価であったことからダージリンと称して流通したこともありました。しかし、十数年前から非常に高品質な茶葉を産出されるようになり、シッキム紅茶は高級紅茶産地へ仲間入りを果たしたともいえます。多くはフルリーフタイプで生産され、ダージリンと比べると濃厚な香気とコクがあり、飲み応えがあるのが特徴です。特に良質な茶葉は、ダージリンのマスカットフレーバーに似た花香を持ち高値を呼んでいます。